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この町を知ってもらいたい。 人と地域を「結ぶ」農家民泊
塩谷町には、地域と農業に根ざしたあたたかい暮らしを体験できる場所があります。
豊かな自然の中で旬の食材を味わい、地元の人々と触れ合う。
訪れた方からは「『ただいま』とまた帰ってきたくなる」と好評です。
今回は、そんな農家民泊を営んでいる渡辺さんご家族についてご紹介します。
渡辺 肇さん・和美さん・篠崎 有香さん
塩谷町出身。
年間100種類以上の作物を栽培する「わたなべ農園」の運営の傍ら、2022年より農家民泊「結」を始める。
「Natural food YUI」の名で飲食加工も行う。
町内初。農業+民泊 =農泊のスタート
風見区で暮らす渡辺さんご夫婦は、農薬を使わない農業を長年営んできました。
上平区の農村レストラン「尚仁」で働いていた和美さんが定年退職を迎えるにあたって、農家民泊を始めることを提案したのは娘の有香さんでした。
「両親と私、それぞれに得意なことがあるので、それを形にできて両親が老後を楽しく過ごせるような何かがあればいいと思っていました。
その時に、今まで農業をメインでやってきたのだから、一歩進んで農泊をやったらいいんじゃないのって。
自宅でできますし、外から人が来てくれれば刺激や張り合いにもなります」(有香さん)
町内で他に農泊を行っている人はおらず、保健所の申請など営業許可の手続きに時間がかかりながらも、2022年12月に自宅の古民家で農家民泊「結(ゆい)」をスタートさせました。
人を結び、塩谷を発信
渡辺さんご家族が農泊を始めた理由はもう一つあります。
それは、「色々な人にこの塩谷町を知ってもらいたい」という思いでした。
「ここから塩谷のことを発信して、人と人や、企業と農家を結んでいきたい。
その心から、この農泊を『結』と名付けました」(和美さん)
自分たちだけではなく、地域全体が元気になるようにと、町内の農産物などを来た方へ積極的に紹介し、町の頑張る事業者にもスポットを当てています。
現在は完全予約制で10人までの宿泊を受け入れている他、日帰りで学生向けの農業体験を提供したり、首都圏から訪れた約40人の団体と餅つきをしたことも。
有香さんのお子さんも手伝いに入り、三世代で多くの人をあたたかく迎え入れています。
自然豊かな土地を守り、ファンを増やす
「お客さんに『実家に帰ってきたような気がする。塩谷町は第二のふるさと』と言っていただけるのが本当に嬉しい」と話す渡辺さんご家族。
また、昔から変わらない豊かな自然が塩谷町の最大の魅力であり、「宝物がいっぱいあるまち」だといいます。
「先人たちの知恵や土地を受け継いで、生まれ育った場所がそのままある素晴らしさを残しつつ、守っていけたらいいと思っています」
人と地域を結び、確実に塩谷町のファンを増やしている農家民泊「結」の皆さんです。
(10月17日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)