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農業一筋45年。生きものと共にお米をつくる
塩谷町の東の端。さくら市や矢板市にもアクセスのよい平野で、有機農業に取り組んでいる一人のお米農家さんがいます。
春の終わり、カエルやドジョウでいっぱいの田んぼでお話を伺いました。
杉山 修一(すぎやま しゅういち)さん
1958年生まれ。有機・特栽 すぎやま農場の農場長。「癒しの大地と癒しの農作物づくりに挑戦中!」をスローガンに稲作に携わる。趣味は機械いじり。
自身の体調不良から有機栽培へ
杉山さんは、肘内で45年以上お米作りに取り組んでいます。
塩谷町の中でも大規模な稲作を行う農家の一人で、特に化学肥料や農薬を使用しない有機栽培にご家族で力を入れています。
18歳のときに父の跡を継いで就農した杉山さん。順調に規模拡大を進めていましたが、あるときから稲の花が咲くころにアトピー性皮膚炎の症状が出るようになりました。
次第にそれが田んぼで使う農薬のせいだとわかり、散布をやめたところ症状が治まりました。
この経験をきっかけに、すぎやま農場は農薬や化学肥料を使わない有機農業に転換していきました。
生きものの環境を守る農業
農薬の使用を止めると、田んぼにいる生きものの数が変わりました。カエルやドジョウが増え、鳥たちもあちこちからやってくるように。
「いつでも生きものが遊びに来られる田んぼを用意していなきゃいけないなと思うし、そういう環境を守っていきたい。その結果として私たち人間が健康な食べものを食べられればいい」と語る杉山さん。
有機認定の継続確認書や生産工程などの記録も農場のホームページで公開し、誰でも閲覧できるようになっています。
その確かな安心と信頼で、コシヒカリをはじめとした多くの品種がしおやブランドに認定されているほか、都心部でも最高級の品質として流通しています。
これからも安心なお米を
現在43ヘクタールある圃場のうち、19ヘクタールが有機栽培のすぎやま農場。
「今後は有機100%にしたい。そしていずれはお米だけでなく、様々な安心できる食材が塩谷町内で調達できるようになれば」と語ってくれました。
生きものと仲良く暮らしてお米を育てるために、杉山さんは今日も田んぼに向かっています。
(2023年4月28日取材 塩谷町地域おこし協力隊 小松原 啓加)
【広報しおや6月号掲載】
有機・特栽 すぎやま農場
住所:塩谷町肘内742
ホームページ:http://sugiyama.main.jp/