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石からガラスへ。 世界市場を開拓するものづくり会社
塩谷町には、海外市場へと進出する「ものづくり会社」があることをご存じでしょうか。
田舎の石材店から始まった挑戦が、若い新入社員を迎えてさらなる展開を見せようとしています。
今回は、そんな株式会社イーストンテックの皆さんをご紹介します。

株式会社イーストンテック
2011年12月設立。代表取締役社長の斎藤俊雄(さいとう としお)さん、妻の明美(あけみ)さん、社員のルイーズ・ガベルさんからなるガラス装飾品製造販売会社。
塩谷町玉生の東房区に位置する。
石からガラスへの挑戦
東房区にあるイーストンテックは、世界から注目されるガラス装飾品の製造販売会社です。
昭和42年に設立された玉生石材センターで、石の加工販売を行っていた二代目の俊雄さんは、20年前からガラスの取り扱いを始めました。
「うちでは元々、石の塊を削って磨き、形にすることをしていました。
ただ、石の仕事は徐々に減ってきていたのと、私はガラスも好きだったので、同じことがガラスでもできるんじゃないかという発想から始まりました」(俊雄さん)


ガラス加工の技術を学んだ職人はいませんでしたが、石材での経験や既存の設備を活かして試行錯誤するうちに、大手メーカーからの加工委託を受けるように。
現在も、半導体やカメラレンズなどに使用されるガラス加工の依頼を通年で受注しています。


フランスからの新入社員
装飾品やアート作品の制作も手がけるイーストンテックは、フランスで開催される世界的インテリア・デザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ・パリ」に平成29年から出展してきました。
このイベントから繋がった人との関係は多く、その一人が昨年に入社したガベルさんです。
大学生だったガベルさんは、令和5年にイーストンテックのリサイクルガラス作品を見て感銘を受け、来日して三ヶ月間のインターンシップを行いました。


フランスで生まれた仕事のチャンスを活かすためには、フランス語で対応できる人材が必要と考えていた俊雄さんは、大学卒業が近づいたガベルさんに社員として戻ってきてほしいと熱烈な勧誘をしたといいます。
「どこで仕事をしようと悩んでいた時に、社長からメッセージが来てびっくりした。もちろんオッケー」とガベルさんは入社を決意。
海外での営業において、即戦力として活躍しています。

「ルイーズがメールすると、次の日には返信が来るのは嬉しいですよね。それで何件か仕事の話が進んでいます」(明美さん)


田舎からのさらなる海外展開
ガベルさんの母校のカリキュラム作りに協力し、現在もインターンシップの学生を受け入れるなど、日仏交流にも積極的に関わる斎藤さんご夫婦とガベルさん。
今後はさらに欧米圏への発信を強化していきたいと話します。

石からガラスへの挑戦を始めたイーストンテックは、新たな社員を加えて、塩谷から海外展開を加速させていきます。

(6月2日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)