インタビュー

2024.01.10

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20歳で新規就農。生まれ育った土地で「ニラ」をつくり続ける若手農家

栃木県の名物の一つに挙げられるのが餃子。

野菜たっぷりの餃子の餡に欠かせない「ニラ」も、本県では盛んに生産されています。

今回は、若くして地元で新規就農し、ニラを育てて13年の農家さんにお話を伺いました。

阿久津 友紀(あくつ とものり)さん

塩谷町出身。ニラ農家。
文星芸術大学附属高校を卒業後、栃木県農業大学校へ進学。
二年間農業を学んだのち、地元塩谷町で就農。
趣味はニラづくりとゴルフ。

全てが真新しかった農業

中学・高校は陸上競技に打ち込んでいた阿久津さん。

生まれ育った船生の実家は、もともと農家ではありませんでした。

農家になることを決めたのは、高校3年生の進路選択のとき。

長男として「農業で家を継ぐ」という思いから、宇都宮市にある栃木県農業大学校へ進学しました。

普通科の高校を卒業した阿久津さんにとって、当時は見るもの全てが新しかったといいます。

「最初は農業に関して何の話をしているのかも全然わかりませんでしたが、ただただ実習が楽しいなと。

周囲の大半は高校から農業を学んでいて、小さい頃から家の農作業をしている友人からしたら『農業は大変』という気持ちだったと思うんですけど、自分は楽しさが勝っていました

なので周りとギャップがあって、『そんなに農業やりたいの』と驚かれました(笑)」

 

塩谷町に農協の部会があるニラか花を主とした就農を先生から勧められ、比較的初期投資が少ないニラを選んだ阿久津さん。

在学中に町内のニラ農家で研修を受け、卒業後20歳で就農しました。

 

やりがいあるニラ栽培

「ニラは一年を通して一つの株から何回も収穫ができるのが魅力です。

ただ、株が疲れると品質も落ちてくるので、落とさずに管理できた時はちょっと(自分が)成長したかなと。そこに面白さがありますね」

そう語る阿久津さんは1年目で生産のサイクルを体に覚えさせ、他の農家のやり方を学んだり、機械を導入したりと試行錯誤を重ねてきました。

 

ニラ栽培で重要なのは温度管理

就農2年目から仕事を辞めて手伝っている父・邦芳さんと同じ目線で話し合いながら取り組んでいます。

特に今冬は例年と異なる暖冬予想のため、出荷調整や収穫に時間を取られて管理がおろそかにならないよう、バランスを心がけているそうです。

ニラは捨てるところがない野菜

なるべく無駄が出ないように、多くの消費者に届けたい思いがあります」

 

効率化して面積を拡大

現在はご両親と奥様を含めた4人体制で生産を行っています。

2023年8月には、出荷調整作業を効率化する新しい機械を導入しました。

「機械が入ったので、もう少し面積を増やしていくと同時に、品質の維持も考えて一年間のサイクルを固めていきたいです。

機械を最大限に活かせる状況をつくる、それが今の目標です」

 

農業界の高齢化が進む中、10代の頃から農家を目指し、ひたむきにニラと向き合い続けている阿久津さん。

農協や直売所に加え、今後は加工用として冷凍餃子の会社への出荷も検討中です。

いつか皆さんが食べる餃子にも、阿久津さんのニラが入っているかもしれません。

 

【阿久津さんのニラ販売店】

・道の駅湧水の郷しおや 

・ふれあいの里しおや

*「生産者 阿久津邦芳」の名前で販売されています

(11月6日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)

【広報しおや1月号掲載】