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自宅の元鉄工所をパン屋に。 家族のあたたかい挑戦
「え!塩谷にパン屋さんができたの!?」
そんな驚きと嬉しいニュースを町にもたらしたパン屋「La Famiglia」は、まもなくオープン1周年を迎えようとしています。
お店には多くの人が訪れ、地域の人々とのあたたかい繋がりも生まれはじめているとか。
今回はオーナーの手塚さんに、オープンまでの経緯やパンへのこだわり、これからの構想についてお話を伺いました。
手塚 由香(てつか ゆか)さん
塩谷町出身。La Famigliaオーナー。
趣味はDa-iCEの追っかけ。
鉄工所だった自宅をお店に
船生(ふにゅう)は合柄橋(がっからばし)の路地裏で、風になびくのぼり。
そこには可愛らしい「パン」の文字が。
駐車場の奥には、犬の肉球がロゴマークに入ったパン屋「La Famiglia(ラ・ファミーリャ)」があります。
オーナーの手塚さんが趣味で初めてパンを作ったのは、約2年前のことでした。
それまでは宿泊施設での接客業全般に携わり、和食料理の調理なども手伝っていたといいます。
「鉄工所を営んでいた父の夢が、板前をしている兄にお店を持たせてあげることでした。
そういった親の思いと、姉の『やっちゃいな!』という後押しで、工場だった自宅を自分たちでリノベーションしました」
3ヶ月間をかけて家族総出で店舗に改修し、2024年1月に店をオープンしました。
日中は手塚さんと姉の栄子さんがパン屋を開き、
夜は板前の兄・正一さんが料理する完全予約制の店「綺酔 虎鉄(きっすい こてつ)」に様変わりします。
安心安全なパンを皆様に
実はもともとパンが嫌いだったと打ち明ける手塚さん。
「パンのパサつきが好きじゃなくて、以前はパンよりお米派でした。
でも、そのマイナスのイメージを自分で払拭できないかなと思って作ってみたものを並べています」
確かにどのパンも一口食べて感じるのはしっとりさと柔らかさ。
「安心安全なパンを皆様に」をモットーとして、添加物を使わず深夜から手ごねで製造しています。
特に手塚さんがおすすめする食パンは、
「ふわふわでもちっとしている」とお客様からも好評です。
ミニサイズや味付けがされているものもあるため、一人暮らしの方や子どもに買っていく方が多いそう。
現在は、道の駅や上平区のふれあいの里しおやにも出荷しています。
地域への貢献を目指して
今後はパン屋としての枠組みを超えた取り組みも考え始めているといいます。
「買い物に行きにくい地域の高齢者向けに、パンとお弁当の配達サービスをできたらいいなと考えています。
あとは、親の迎えを待つ子どもが外ではなく、この店で安全に待つことができる放課後の居場所のようなものも求められているのならやりたいです」
「昔から仲が良かった」という家族みんなで開いたパン屋さん。
そのFamiglia(イタリア語で「家族」の意味)のあたたかさが地域に広まっていく未来が見え始めています。
(11月13日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)