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地産地消。しおやの食を「みそ」で支える
自然休養村センターのそばにある塩谷町農産物加工所。
普段は静かですが、冬になると女性たちの声でにわかに活気づきます。
ここで味噌を長年作り続けているのが「味噌クラブ」の皆さん。
日本人の毎日の食事に欠かせない味噌がどのようにつくられているのか、
仕込みシーズンの真っただ中を取材しました。
地元のお米と大豆で味噌づくり
味噌クラブは、平成14 年に地産地消を目的としてつくられた町内の団体です。
現在のメンバーは平均年齢70 歳代の元気な塩谷の「お母さん方」10人。
春から秋は稲作をされており、収穫したお米と、町内の農業生産法人である(株)和氣ふぁーむの大豆を使って冬場は味噌を仕込んでいます。
メンバーの中には小さい頃から60年以上味噌づくりをしているという方も。
各工程は熟練した無駄のない動きで進められます。
「一番大事なのは健康でいることだね。それと、雑菌が入らないように気を付けています」と話すのは代表の大島さん。
地元のお米と大豆、そして豊かな水で手作りされたこの「湧水みそ」は、しおやブランドに認定されている他、平成21年から町内小中学校の給食でも使われています。
みんなで集まる時間が楽しい
12月から2月までの仕込みのシーズンには毎日4人ずつ交代でシフトに入り、土日も休まずに作業を続けます。
桶に詰めた味噌が熟成して、販売できるようになるのは約10ヶ月後。
重いものを運んだり、冷たい水に手をさらしたりと体に堪えることも多い味噌づくりですが、メンバーとのおしゃべりの時間が何より楽しいと語ります。
「こうやってみんなで集まれるからね。
お昼だって一人じゃなくて、持ち寄ってみんなで食べるでしょ。
それが一番楽しいし、元気の源です」
一つしかない味を残す
大豆の甘みが特徴で、添加物を一切入れていない湧水みそは、町内外でファンを増やしています。
「さくら市から来た業者がいたのね。で、『お味噌これ食べてみな』ってあげたの。
そしたら、『美味しかったから今度買って食べるよ』って言ってもらえて」
と嬉しそうに笑う大島さん。
「他にはない味でしょ。だから、この味噌クラブをいつまでも無くさないで残しておきたいと思います」
お母さん方の真心こもった湧水みそが、塩谷町をはじめとした多くの人の食を支えています。
味噌クラブの湧水みそ 販売場所
・道の駅湧水の郷しおや
・ふれあいの里しおや
・君嶋林業
・農産物直売所さくら
・道の駅やいた
・東京ソラマチ とちまるショップ
(1月12日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)
【広報しおや3月号掲載】