インタビュー

2024.08.15

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「楽しいバスケ」を伝えたい! 元プロバスケ選手の新たな挑戦

栃木県で一番人口の少ない塩谷町ですが、実はプロスポーツ選手も輩出しています。

いつも笑顔で明るい磯部さんは、元実業団のバスケットボールプレーヤー。

その人柄と人気から、Instagramのフォロワーは1200人を超える彼女に、これまでの経歴とこれからの挑戦についてインタビューしました。

磯部 夏紀(いそべ なつき)さん

塩谷町出身。元プロバスケットボール選手。身長190cm。2009年から2015年までアイシン・エイ・ダブリュ(株)【現:アイシン・ウィングス】に所属。
引退後は、体験活動を通してバスケの楽しさやチャレンジすることの大切さを伝える活動を展開中。

プロを目指した学生時代

磯部さんのバスケットボールとの出会いは、小学三年生から始めた部活動でした。

その頃から人より背が高く、小学六年時の身長は186cm。

すでにプロバスケ選手になる夢を抱いていましたが、入学した町内の大宮中には女子バスケ部がなく、地域のサークルで週一回ほどプレーしていました。

 

本格的にバスケの道に進むきっかけとなったのは、宇都宮で観戦したプロの試合だったと言います。

「背の高い選手が、声援に囲まれて活躍していたのがとてもキラキラして見えて、そこから本当にバスケをやりたいと思うようになりました」

 

以前に入部のオファーを受けていた先生を頼り、中学二年で陽南中へ転校し実力をつけると、高校は愛知県の桜花学園高校に進学しました。

桜花学園は、全国から強い選手が集まるバスケの名門校です。

磯部さんの代は、高校三大タイトル(インターハイ、国体、ウインターカップ)において、三年間で計七冠を獲得しました。

190cmのセンター、 愛知の実業団へ

 高校卒業後は先生の勧めもあり、愛知県の実業団アイシンAWウィングス(当時)に入団し、身長190cmのセンターとして活躍。

選手4年目に栃木県で開催された試合で、地元出身の選手として歓迎された時は、バスケを続けていてよかったと思えたそう。

「小さい頃は、どうして私だけ背が高いの?と苦しかったけれど、バスケに出会えて、私の個性(身長)が武器になるんだ!活かされるんだ!と自分に自信が持てるようになりました

人と違うものは神様からのギフトです。

今はこの身長で良かったと思えます」

伝えるのは「楽しい」バスケ。引退後の新たな挑戦

六年間の現役生活ののち、会社員を経て塩谷町にUターンした磯部さんが始めたのは、親子向けのバスケ体験教室です。

この取り組みの目的は、強い選手の育成ではなく「楽しい環境づくり」。そこには、怪我で引退した自身の思いも込められていました。

「日本一になり続ける高校時代やプロの世界を経験して、その経験も財産になりましたが、心身に我慢をし続けた結果、怪我でドクターストップをかけられました。

ですが、そんな経験をさせてもらったからこそ、子ども達の笑顔や愛にあふれる環境で、心の豊かさやチャレンジすることの楽しさなどを一緒に育んでいけたら嬉しいなと思っています」

 

五月に初開催した親子バスケ体験教室も、ゲームを交えてボールに触れる楽しさを伝えていました。

参加した保護者の方からも、「次回もぜひ参加したい」と好評。

 

 

塩谷町から始まる、元プロバスケ選手の新たな挑戦に注目です。

 


(6月18日取材 地域おこし協力隊 小松原啓加)